内視鏡で異常がないのに消化が悪いとき、何を見ればよいですか?
目次
30秒でわかるポイント
- 内視鏡で異常がないことは、原因がないという意味ではありません。
- 首や背中の位置が消化とつながっている場合があります。
- まず手で確かめ、必要であれば撮影で骨の位置を見ます。
- 同じ曲がりでも、原因が違えば対処法も違います。
- 消化器の検査をまだ受けていない場合は、そちらが先です。
よく伺うお悩み
- 「内視鏡は正常と言われたのに、ずっと胃がもたれます。」
- 「薬を飲んでいるときだけ大丈夫で、すぐにまた戻ってしまいます。」
- 「少し食べただけで、みぞおちが詰まったようになります。」
内視鏡で異常がないのに消化が悪いとき、何を見ればよいですか?
胃そのものにない原因を、胃の外に探します。首や背中の位置、そして呼吸の仕方が消化とつながっている場合があります。
内視鏡を何度受けてもはっきりしたものが見つからず、「神経性」と言われた方がいらっしゃいます。そう言われると、たいていかえってもどかしくなります。原因がないという意味ではなく、その検査では見えないという意味なのに、説明がそこで終わってしまうからです。
首が痛いことと消化が悪いことはつながっているのですか?
つながっている場合があります。首の骨のまわりには内臓の動きに関わる神経が通っており、背中が丸まるとお腹側の空間が圧迫されるからです。
診察室でお会いした方は、消化不良と頭痛を同時に抱えていらっしゃいました。お話を伺うと、ふだんから首と肩がいつも重く、こっているとのことでした。胃薬を飲んでもあまり効かず、頭痛も長く続いていました。
首と肩、頭痛、消化の不調を別々に見ると、それぞれ違う診療科の問題に見えます。けれども一緒に並べてみると、ひとつの場所を指していることがあります。
どうやって確かめるのですか?
まず動きと筋力を手で確かめます。そこで構造的な問題が疑われれば、撮影で骨の位置を見ます。
この方は柔軟性も筋力も落ちていました。単なる筋肉疲労とは考えにくかったため撮影も行ったところ、背骨が横に曲がっていることがわかりました。
側弯といえば、どれも同じ側弯なのですか?
違います。原因なく生じたものと、ほかの場所のゆがみを体が補おうとして生じたものとでは、対処法が違います。
この方の場合は後者でした。骨盤と首の骨のバランスが崩れ、体がそれを補おうとして横に曲がっている状態でした。原因なく生じた曲がりではなかったため、骨盤と首を整えることが、そのまま曲がりに対処することになりました。
背骨のゆがみは、胃腸に近い神経が通る場所と重なります。消化不良と背中の形を一緒に見た理由はここにあります。
医学用語では、前者を特発性脊柱側弯症、後者を代償性側弯と呼びます。
この判断にはどんな限界がありますか?
背骨を整えることで消化が良くなると断定することはできません。ふたつが一緒に改善していくのを見たのであって、一方がもう一方を治したと証明したわけではありません。
大切なことを付け加えます。このお話は、内視鏡をはじめとする消化器の検査をすでに受けた方に当てはまるものです。その検査を飛ばして体型から見るのは順番が違います。体重が減っている、飲み込みにくい、黒い便が出る、夜に痛みで目が覚める、といった場合は消化器の検査が先です。
当院では胃の外側も一緒に診ます。 首や背中の位置、呼吸の仕方が消化とつながっている場合があります。
内視鏡は正常なのに胃の不調が続いている方は、一度いらしてください。 「神経性」という言葉で終わらせず、見るべき場所を探します。
一緒に改善していく程度は、絡み合っている場所の数やこれまで過ごしてきた期間によって、人それぞれ異なります。
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