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2026年8月14日

O脚は脚の形ではなく、膝の問題です

キム・ジフン
医療監修 キム・ジフン 代表院長

脚の形より先に見るべきことがあります

30秒でわかるポイント

  1. O脚は、形の問題である前に膝の問題です。脚が内側に曲がると、体重が膝の内側に集中します。
  2. 大規模な研究で、O脚は膝の関節症が起こるリスクを1.5倍、すでにある関節症が悪化するリスクを3.6倍に高めていました。
  3. 脚が曲がって見えることには、骨の角度と姿勢・筋肉・歩き方が一緒に関わっています。この二つの割合は人によって違います。
  4. 姿勢・筋肉・歩き方のほうは、扱うことのできる領域です。当院が手を入れるのはこちらです。ただし、骨の角度そのものは手術でなければ変えるのが難しいものです。
  5. 赤ちゃんのO脚はほとんどが正常です。ただし、2〜3歳を過ぎてもひどくなる、片側だけ曲がっているといった場合は検査が先です。

よく伺うお悩み

  • 「パンツがきれいに見えないんです。」
  • 「写真を撮ると脚が曲がって見えます。」
  • 「スカートをはくのに抵抗があって。」
  • 「膝の内側がうずくんです。」
  • 「矯正できるというところもあれば、できないというところもあって、何を信じればいいのかわかりません。」

形のことで来院されたのに、膝の話を聞いて驚かれる方が多くいらっしゃいます。

初日はこのように進みます

  • 見た目と実際の角度がどれくらい違うか。 体型検査で全身の並びを見て、同じビル2階の画像診断科と連携し、立った姿勢で撮る画像で角度を測ります。
  • 骨の角度によるものか、姿勢・筋肉によるものか。 この分かれ道が、その日のうちにはっきりします。
  • 何がどれくらい変えられるか。 姿勢・筋肉が占める分だけが、当院が変えられる部分です。骨の角度が中心の方には、その事実もそのままお伝えします。

鏡の前で脚を見たことがありますよね

パンツがきれいに見えないとおっしゃいます。写真を撮ると脚が曲がって見えるとおっしゃいます。スカートをはくのに抵抗がある、というお話もされます。

O脚で来院される方は、たいてい見た目のことで来られます。そして、遠慮がちにもう一つ尋ねられます。「健康にも問題があるんでしょうか?」

実はこちらのほうが大事な質問です。そして、答ははっきりしています。

O脚が本当に問題である理由

O脚は、形の問題である前に膝の問題です。

脚が内側に曲がると、歩くたびに体重が膝の内側に偏ります。膝全体で分け合って受けるべき重さを、内側の軟骨が集中して受けることになるのです。

数字で見るとこうなります。膝4,265個を調べた大規模な研究で、

O脚の膝
関節症が起こるリスク 約1.5倍
すでにある関節症が悪化するリスク 約3.6倍

そして、もう一つ注目すべきことがあります。関節がすでに傷んでいるほど、同じO脚がより大きな害になっていました。 初期の関節症では4倍だったものが、もう少し進んだ関節症では10倍にまで上がったという分析もあります。

先延ばしにするほど不利になる、ということです。

では、O脚はどれくらい良くなるのですか

「どれくらい良くなるか」は、測ってみてはじめて答えられる質問です。 同じO脚でも、人によって成り立ちが違うからです。

脚が曲がって見えることには、二つのものが混ざっています。

一つは骨の角度です。 太ももの骨とすねの骨がなす角度で、成長が終わったあとは骨の形で決まっている部分が大きくなります。これを大きく変える方法は、骨を切って角度を変える手術です。当院は、この部分を変えられるとは申し上げません。

もう一つは姿勢と筋肉と歩き方です。 骨盤と股関節のねじれ具合、膝まわりの筋肉のアンバランス、足の形、立ち方や歩き方の癖です。こちらは扱うことのできる領域で、当院が手を入れるのはこちらです。 膝が痛むO脚の中年女性47人を対象に12週間運動を行った韓国国内の研究で、並びの指標の一部と膝の痛みが改善したという報告があります。

ですから、測ることが先です。 二つのうちどちらがどれくらいを占めているかは、立った姿勢で撮る画像と体型検査で分かれます。機能的な要素の割合が大きい方は、そのぶん見た目の形も変わる余地があり、骨の角度が中心の方は目標を別に立てる必要があります。測らずに「できます」あるいは「できません」と答えるほうが、かえって不正確です。

参考までに、もっともらしく見えたのにうまくいかなかった方法もあります。 靴の外側を高くして膝の内側の負担を減らそうとするインソールです。理屈はもっともらしかったのですが、複数の試験をまとめて分析した結果、痛みを減らせませんでした。 膝の負担を扱うことが単純ではない、ということです。

O脚が膝に有害だという根拠は強く、何をどれくらい変えられるかは、測ってみてはじめてわかります。

子どものO脚は別の話です

赤ちゃんの脚は、もともと内側に曲がっています。歩き始めて2歳前後までに自然に真っすぐになり、その後はむしろX脚のほうへ向かってから、小学校に上がる頃に大人の形に落ち着きます。正常な発達の過程です。

ですから子どもに必要なのは矯正ではなく、見分けることです。以下に当てはまれば検査が先です。

  • 2〜3歳を過ぎたのにだんだんひどくなっているとき
  • 片側だけ曲がっているとき
  • 痛がる、足を引きずるとき
  • 同年代より身長がはっきり低いとき

当院がはっきりさせておくこと

O脚の方に膝の関節症が多いことは、大規模な研究で確認されています。ただし、O脚を扱えば関節症を防げるということまで証明した研究は、まだありません。

ですから当院は「矯正すれば関節症になりません」とは申し上げません。その代わり、膝の内側にかかる負担を減らすことは今できることで、それは測って確かめることができます。

当院ではこのように進めます

一つ目。まず測ります。
O脚のように見えることと、実際の角度は違う場合があります。体型検査で全身の並びを見て、同じビル2階の画像診断科と連携し、立った姿勢で撮る画像で角度を測ります。骨の問題なのか、姿勢と筋肉の問題なのか、混ざっているのかが、ここで分かれます。測らずに矯正の話はしません。

二つ目。何がどれくらい変えられるかを、初日にお伝えします。
測った結果をもとに、機能的な要素がどれくらいを占めているかをご説明します。その割合の分だけが、当院が変えられる部分です。骨の角度が中心の方には、その事実もそのままお伝えします。できることを誇張することも、できることをできないと言うこともしません。

三つ目。変えられるものを実際に扱います。
推拿(チュナ)治療で骨盤と股関節の並びや固まったところをほぐし、膝まわりとお尻の筋肉を育てる運動をお渡しし、立ち方・歩き方の癖を一緒に整えます。痛みがあれば、鍼と薬鍼で負担が集中した場所の痛みを調整します。この過程で、見た目の脚の形が変わる方もいらっしゃいます。 骨が変わったからではなく、脚をそう見せていた条件が変わったからです。

四つ目。同じ方法でもう一度測ってお見せします。
治療前に測ったものを、まったく同じ方法でもう一度測ります。見た目の写真ではなく、数字で判断します。

五つ目。子どもは見分けることが先です。
片側だけ曲がっている、だんだんひどくなる、痛がるといった場合は、矯正プログラムより画像検査と連携診療を先にご案内します。

今確かめておかないと

O脚そのものが今すぐ痛むわけではありません。だからこそ先延ばしにしがちです。

けれども、先ほどの数字が語っていることがあります。関節が傷むほど、同じO脚がより大きな害になります。 今は4倍のものが、のちには10倍になります。膝が痛み始めてからでは、選択肢が減ってしまいます。

反対に、今何が問題なのかを知っていれば、変えられるものから手をつけることができます。 骨の角度は変えられなくても、膝にかかる負担は減らせます。体重と筋力は、並びにかかわらず効果が確認されている領域です。

こう変わります

写真を撮るときに脚を気にしなくなること。それも良いことです。

それ以上に当院が目標に置いているのは、これです。10年後、20年後も、ご自分の膝で歩いて出かけられること。 階段を下りるときに手すりを探さなくてすむこと。痛くて歩けず、歩かないからさらに弱くなる――その悪循環に入らずにすむこと。

O脚を扱う本当の理由は、ここにあります。

変えられる範囲と速さは、並びの成り立ち、年齢、体重、筋力によって人それぞれです。

こんな方は一度いらしてください

  • 脚の形が気になる方
  • 膝の内側がうずき始めた方
  • 矯正できるのかできないのか、答えを聞けていない方
  • お子さんの脚が曲がって見えて心配な保護者の方

測らずに「できます」とは申し上げません。 その日に角度を測り、変えられる部分がどれくらいかを聞いてお帰りいただければ十分です。お子さんは、矯正より見分けることが先です。

この記事が参考にした資料

資料 どんな研究か 結果
Sharma ほか, 2010 膝4,265個を追跡した大規模研究 O脚で関節症の発生1.5倍、内側の進行3.6倍
Sharma ほか, 2001 膝関節症の患者さんを18か月追跡 O脚が内側の関節症の進行と機能低下に関連
Cerejo ほか, 2002 膝377個を追跡 初期の関節症で4倍、もう少し進んだ関節症では10倍
Tanamas ほか, 2009 複数の研究をまとめて分析 並びの異常と関節症の関連を確認
Parkes ほか, 2013 インソールの試験をまとめて分析 外側を高くしたインソールに痛みの改善効果なし
Moon ほか, 2023 膝が痛むO脚の女性47人、12週間の運動 並びの指標の一部と痛みが改善(小規模な1件)

参考文献

  1. Sharma L, Song J, Felson DT, Cahue S, Shamiyeh E, Dunlop DD. The role of knee alignment in disease progression and functional decline in knee osteoarthritis. JAMA. 2001;286(2):188-195. doi:10.1001/jama.286.2.188. PMID: 11448282

  2. Cerejo R, Dunlop DD, Cahue S, Channin D, Song J, Sharma L. The influence of alignment on risk of knee osteoarthritis progression according to baseline stage of disease. Arthritis & Rheumatism. 2002;46(10):2632-2636. PMID: 12384921

  3. Tanamas S, Hanna FS, Cicuttini FM, Wluka AE, Berry P, Urquhart DM. Does knee malalignment increase the risk of development and progression of knee osteoarthritis? A systematic review. Arthritis Care & Research. 2009;61(4):459-467.

  4. Sharma L, Song J, Dunlop D, Felson D, Lewis CE, Segal N, Torner J, Cooke TDV, Hietpas J, Lynch J, Nevitt M. Varus and valgus alignment and incident and progressive knee osteoarthritis. Annals of the Rheumatic Diseases. 2010;69(11):1940-1945. PMID: 20511608

  5. Parkes MJ, Maricar N, Lunt M, LaValley MP, Jones RK, Segal NA, Takahashi-Narita K, Felson DT. Lateral wedge insoles as a conservative treatment for pain in patients with medial knee osteoarthritis: a meta-analysis. JAMA. 2013;310(7):722-730. doi:10.1001/jama.2013.243229. PMID: 23989797

  6. Moon HH, Seo YG, Kim WM, et al. Effect of combined exercise program on lower extremity alignment and knee pain in patients with genu varum. Healthcare (Basel). 2023;11(1):122. doi:10.3390/healthcare11010122


脚の形が気になるなら、一度測りにいらしてください。変えられる部分がどれくらいかを、その日のうちにお伝えします。

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キム・ジフン

キム・ジフン 代表院長

検査では異常がないと言われたのに、不調が続いている方を診ています。お腹を押して診る腹診、舌を見る舌診、脈をとる脈診で体の状態を確かめ、確認したことを数字で記録して、次の診療のときに比べます。 痛みについては、痛む場所だけを見ることはしません。足の着地のしかたや顎のバランス、歩き方から原因を探します。治療の方針をご説明するときは、どの学術誌のどの研究なのかもあわせてお伝えします。ご自身で確かめられてこそ根拠だと考えています。

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