五十肩(肩関節周囲炎)に、運動は本当に役立つのですか?
目次
30秒でわかるポイント
- 五十肩は時間とともに良くなる方向へ向かいますが、何年もかかります。
- 痛む時期・固まる時期・ほぐれる時期に分かれ、やるべきことが違います。
- いちばん痛む時期に無理に伸ばすと、かえってもっと固まります。
- 背中で両手を合わせてみて、左右差を確認することができます。
- けがのあと急に上がらなくなった場合や、糖尿病がある場合は、別に確認が必要です。
よく伺うお悩み
- 「五十肩は放っておけば治るって聞いたんですが、本当ですか?」
- 「運動しなさいって言われるけど、痛くてできません。」
- 「無理に腕を上げると、もっと痛くなります。」
五十肩(肩関節周囲炎)に、運動は本当に役立つのですか?
役立ちます。ただし、いつでも同じ運動をするのではなく、今
どの段階にいるかによって、やることがまったく変わります。
五十肩は、時間とともに自然に良くなる方向へ向かう病気です。だからといって、様子を
見ていればよいという意味ではありません。その経過は何年にもわたり、その間どう過ごすかによって、
最後に残る動きの範囲が変わってきます。
医学では「癒着性関節包炎」と呼びます。肩を包んでいる
袋が固まって癒着するという意味です。
段階はどう分かれるのですか?
五十肩は三つの時期を経ます
- 痛む時期です。肩の奥が痛み、夜にひどくなります。自分で腕を上げるのは難しいのですが、
人に上げてもらうと、痛みはあっても範囲は出ます。 - 固まる時期です。じっとしているときの痛みは減ってきますが、今度は人に上げてもらっても
上がりません。動く範囲が本格的に狭くなります。 - ほぐれる時期です。痛みが減り、範囲が少しずつ戻ってきます。ただし、最後まで上げるときの
引っかかる感じは残ることが多いです。
この三つの時期を経るのに、全部で何年もかかります。今どの時期にいるかによって、何を
するかが決まります。
段階ごとに何が違うのですか?
痛む時期には無理に伸ばさず、痛みに対処します。固まる時期から
本格的に範囲を広げていきます。
いちばん痛む時期に無理に腕を上げる運動をすると、かえってもっと固まります。この時期は、
痛みを減らし、固まらない程度にだけ動かします。
固まる時期に入ると反対です。ここで伸ばさないと、その範囲のまま残ってしまいます。
痛くない範囲まで毎日少しずつ、こまめに行うほうが、一度に強く行うよりも良いのです。
自宅で今の段階を知ることはできますか?
片方の腕を上から回して背中に触れ、もう片方の腕を下から回して背中に触れて
みてください。両方の指先の間が、反対側でやったときより大きく開くなら、範囲が狭くなっています。
鏡の前で両腕を同じやり方で試してみると、左右差が目に入ります。この
差をときどき確認しておけば、良くなっているのか変わらないのか、ご自身でわかるようになります。
肩だけを見ればよいのですか?
肩だけではなかなかほぐれません。腕を上げるときは、肩だけでなく首、
背中、胸も一緒に動きます。
肩が固まっている間、体はほかの場所で代わりに動くやり方を覚えます。その状態を放って
おくと、肩がほぐれても以前のようには使わなくなります。そのため、首や背中、胸のほうも一緒に
見ます。
別の診療が先になる場合もありますか?
あります。けがのあと急に上がらなくなった場合、糖尿病や甲状腺の病気が
ある場合、首から来る問題が重なっている場合です。
腱が切れている場合は、見た目は似ていても別の病気で、対応も違います。糖尿病が
ある方は五十肩になりやすく長引く傾向があるので、そちらの管理も一緒に見ていただく必要があります。
この判断の限界は何ですか?
時間とともに良くなる方向へ向かう病気なので、良くなったのが治療の
おかげなのか、時間がたったからなのかを見分けるのは難しいのです。
付け加えます。そのため当院では「早く治します」とは申し上げません。
当院が目指しているのは、その期間を少しでも楽に過ごしていただき、最後に残る範囲をできるだけ
広くすることです。
当院では、運動をお勧めする前に、まず今の角度を測ります。 固まり具合を知らずに伸ばすと、痛いだけで範囲は広がりません。
一人でストレッチをしても変わらないという方は、一度測りにいらしてください。 今の角度でできることから決めていきます。
段階や合併する病気によって、結果は人それぞれです。
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