運動中に痛めた肩は、なぜ何度もぶり返すのですか?
目次
30秒でわかるポイント
- 痛みが止まる時期と、腱がふさがる時期は違います。
- 痛くて上げられないのと、力が入らなくて上げられないのは別です。
- 力が抜ける、けがのあと急に上がらなくなった場合は、検査をおすすめします。
- 筋肉は温度に敏感です——冬は準備運動を長めにしてください。
- 頭の上に重さを持ち上げる動作は、いちばん最後に取り入れます。
よく伺うお悩み
- 「運動中に痛めてから、何度もぶり返すんです。」
- 「少し良くなると、また同じところが痛くなります。」
- 「もう運動をやめるべきなのかと思っています。」
運動中に痛めた肩は、なぜ何度もぶり返すのですか?
痛くなくなったからといって、治りかけの腱にまた重さをかけてしまうからです。痛みが止まる時期と、腱がふさがる時期は違います。
運動をされる方がまずお尋ねになるのは「いつからまたできますか」です。そのお気持ちはわかります。ただ、ここで急ぐと同じところが何度もぶり返します。
肩のどこが問題なのですか?
腕の骨と肩甲骨をつなぎ、腕を回す四つの筋肉とその腱です。ここに炎症が起きたり、一部が切れたりします。
この四つの筋肉をまとめて「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」と呼びます。
ロープにたとえてお話しします。何本もの糸が集まって、一本のロープになります。何本かに傷がつくと、残りがその分まで引き受けます。その状態で重いものを持ち続けると、残った糸も切れてしまいます。
そのため、最初の炎症の段階で止めるのと、それを越えて切れてしまうのとでは、その後が大きく違います。
どんなサインに注意すべきですか?
腕を横に上げるとき、ある角度でとくに痛むこと、夜に痛くて目が覚めること、そして腕に力が入らないことです。
このうち力が入らないことは、別に考えます。痛くて上げられないのと、力が入らなくて上げられないのは違います。後者なら切れている可能性があるため、超音波やMRIの検査をおすすめします。
けがのあと急に腕が上がらなくなった場合も、待たないでください。
なぜ冬にけがが多いのですか?
筋肉は温度に敏感だからです。冷えた状態では伸びる余裕が減り、同じ力でもけがをしやすくなります。
治療室で温熱器を当てるのも、気持ちよくなっていただくためではなく、刺激を加える前に組織を準備させる過程です。運動前の準備運動がしているのも同じことです。
冬は体が温まるまでに時間がかかります。夏と同じ時間の準備運動では足りません。
いつからまた運動できますか?
痛くなくなったときではなく、痛くない状態で力が戻ってからです。そのあいだに行うのが、耐える力をつける運動です。
再開するときも、以前の重さにすぐ戻すことはしません。軽く始めて数日様子を見て、翌日に痛みが残らなければ少しずつ上げていきます。
頭の上に重さを持ち上げる動作は、いちばん最後です。その動作は最後に取り入れます。
この判断の限界は何ですか?
切れた程度が大きい場合は、当院の治療で元に戻すのは難しいです。そのときは手術の相談が先です。
付け加えます。どれくらいで復帰できるかを、最初から正確にお伝えするのは難しいです。状態を見ながら、その都度決めていきます。
当院では、なぜ同じところがぶり返すのかから探します。 腱がまだ治っていないのか、使い方がそのままなのかによって答えが違います。
運動をすると肩がまたぶり返すという方は、一度いらしてください。 休むだけで解決しないなら、診るべきところが別にあります。
けがの程度やされている運動によって、結果は人それぞれです。
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