ホーム › 院長コラム › O脚 · 体型矯正
2026年10月11日

膝が痛いけれど、歩いてもいいのですか

キム・ジフン
医療監修 キム・ジフン 代表院長

「しないでください」のリストを、「こうしてください」のリストに変えてお渡しします

30秒でわかるポイント

  1. 膝をかばおうと歩く量を減らすと、太ももの筋肉が弱り、同じ一歩でも関節が受ける衝撃が大きくなります。
  2. 主要な診療ガイドラインが膝関節症の第一の治療に挙げているのは運動で、ウォーキングでも筋力トレーニングでも、続けられるものであれば構いません。
  3. 人は「しないでください」をなかなか守れません。そこで禁止の代わりにやること四つをお伝えします——平地を分けて歩く、階段は手すりをつかんで一段ずつ、椅子から立ち上がる、痛い日は種目を変える。
  4. 運動後1〜2時間以内に治まるだるさは、たいてい問題ありません。翌日までかえって痛むなら、量を一段階減らしてください。
  5. 膝が腫れて熱を持っている、夜も痛む、急に引っかかって動かなくなる、けがのあとから始まった、という場合は、歩くことより確認が先です。

よく伺うお悩み

  • 「膝を大事にしなさいと言われて、歩くのも減らしました。」
  • 「マンションなので階段を使わないわけにいかないのに、階段は使うなと言われるばかりで。」
  • 「休んでいたのに膝がもっとこわばって、少し歩いただけで前より痛くなりやすいんです。」
  • 「運動中に痛くなったら、やめるべきですか、我慢して続けるべきですか?」

関節症と診断されると、周りからアドバイスが次々と寄せられます。「膝を大事にしなさい」「階段は使うな」「山登りはやめなさい」「しゃがむな」。どれも「するな」という言葉です。

それを全部守っているうちに、歩くことまでやめてしまいます。ところが、大事にしていた膝がかえってもっと固くなり、痛みやすくなってしまうのです。

かばうほど弱くなる理由

太ももの筋肉は、歩くたびに膝に入ってくる衝撃を代わりに受け止めてくれるクッションです。

活動を減らすと、まずこの筋肉が落ちます。筋肉が落ちた分、衝撃はそのまま関節に向かいます。膝を休ませようとしたことが、結果的に膝をもっと叩くことになってしまうのです。

そのため、主要な診療ガイドラインが第一に勧めている治療は、注射や手術ではなく運動です。複数の臨床試験を集めた国際的なレビューで、運動は痛みと機能を改善し、その効果は運動を終えたあとも数か月続きました。

うれしい点がひとつあります。ウォーキングでも筋力トレーニングでも、種類による差ははっきりしませんでした。 いちばん良い運動を選ぶために、始めるのを先延ばしにする必要はありません。

ただし、運動が一気に膝を変えるわけではありません。安全に、少しずつ積み重なっていく治療です。効果の実際の大きさと研究の原文は、膝関節症の根拠編にまとめてあります。

「しないでください」がうまくいかない理由

診察室でよくお話しすることがあります。「今、象のことを考えないでください」と言われると、まず象が思い浮かびます。

人の頭は、するなと言われたことをうまく実行できません。意志が弱いからではなく、誰でもそうなのです。その代わり、「こうしてください」ならできます。

そこで膝の処方では、禁止のリストを消して、やることのリストをお渡しします。

膝のための「こうしてください」四つ

一つ目、平地を分けて歩いてください。 一度に長く歩くより、痛くなる前に区切って何回かに分けて歩きます。たとえば30分を一度に歩くより、10分ずつ2〜3回のほうが膝には楽です。歩く前に膝を軽くほぐし、底がやわらかいスニーカーを履いてください。痛くなる前に休んでからまた歩くコツは、脊柱管狭窄症のウォーキング編と同じです。

二つ目、階段は「下りるときは手すりをつかんで一段ずつ」にしてください。 「階段は使わないでください」は、マンションに住んでいる方には守れない処方です。使い方を変えればよいのです。膝には、上るときより下りるときのほうが大きな負荷がかかります。下りるときは手すりをつかんで体重を分散させ、一段ごとに両足をそろえながら下りてください。

三つ目、椅子から立ち上がる動作を運動に変えてください。 太ももを鍛えるいちばん簡単な始め方は椅子です。テレビのCMが流れるたびに、椅子からゆっくり立ち上がってゆっくり座る、を何回かやってみてください。慣れてきたら回数を増やします。何回をどんな速さで行うかは膝の状態によって違うので、診療の際に決めて、次回確認します。

四つ目、ひどく痛む日は休まずに種目を変えてください。 痛い日に運動をやめてしまうと、再開するのが難しくなります。そんな日は、室内用自転車や水中ウォーキングのような膝に体重がかかりにくい運動に変えます。休む日ではなく、種目を変える日にするのです。

どのくらいの痛みなら大丈夫ですか

運動している間の軽い痛みや、終わって1〜2時間以内に治まるだるさは、たいてい問題ありません。

運動した翌日まで痛みが目立って強くなっているなら、量が多すぎたサインです。 そのときは一段階減らしてください。

痛みがまったくなくなるまで待っていたら、始められません。痛みを無視して押し切ると、また痛くなります。その間のちょうどよい量を一緒に決めるのが、当院の仕事です。

歩く前に、まず確認が必要な膝

次のサインがある場合は、歩き方を決める前に、まず膝の状態を見る必要があります。

  • 膝が腫れて熱っぽい
  • 夜、休んでいても痛む
  • 歩いている途中で膝が急に引っかかって動かなくなる、またはガクッと折れる
  • けがをしてから痛み始めた

年齢を重ねるとすべて変形性のものだと思いがちですが、こうした場合は別の問題の可能性があります。当院でもこのサインが見られたら、同じビル2階の画像診断科と連携して、まず関節の状態を確認します。

診療はこの順番で進めます

第一に、膝にかかる負荷を測ります。 X-body体型検査で脚の並びを、体成分検査で体重と筋肉量を見ます。

第二に、歩ける膝をつくります。 鍼(はり)・薬鍼(やくしん)で痛みを調整し、運動を始められるようにします。

第三に、やることのリストをご自身の膝に合わせます。 上の四つを膝の状態に合った方法と回数で決めてお渡しし、再診のときに続けているかを確認します。経過は痛みのスコアと休まずに歩ける時間で判断します。

こう変わります

今日は何歩歩けるだろうかと怖がらなくてよい朝。階段の前でエレベーターを待つ代わりに、手すりをつかんで下りてみる日。

当院が目指しているのは、膝をもう一度使えるようになっていただくことです。

良くなる速さは、関節の状態や脚の並び、体重、筋力によって人それぞれです。

今日のまとめ

膝をかばう代わりに、痛みを減らして使う方法を決めてください。

今日やっていただきたいことがひとつあります。 これまで言われてきた「するな」のリストを紙に書き出し、隣の欄に一つずつ「代わりにこうする」と書き換えてみてください。書き換えられなかった項目が残ったら、その紙を持っていらしてください。一緒に書き換えます。

ご相談・ご予約はページ右下のメッセンジャーから日本語でどうぞ。お電話は +82-53-716-1175 です。

気になる症状はありませんか?

平日は夜8時半まで、土日・祝日も診療しています。

日本語でご相談いただけます

ページ右下のメッセンジャー(チャット)から日本語でどうぞ。スタッフが翻訳してお返事しますので、返信までお時間をいただく場合があります。

お電話:+82-53-716-1175(韓国国内からは 053-716-1175)

キム・ジフン

キム・ジフン 代表院長

検査では異常がないと言われたのに、不調が続いている方を診ています。お腹を押して診る腹診、舌を見る舌診、脈をとる脈診で体の状態を確かめ、確認したことを数字で記録して、次の診療のときに比べます。 痛みについては、痛む場所だけを見ることはしません。足の着地のしかたや顎のバランス、歩き方から原因を探します。治療の方針をご説明するときは、どの学術誌のどの研究なのかもあわせてお伝えします。ご自身で確かめられてこそ根拠だと考えています。

医師紹介をもっと見る →
/* v1.35.6 cache-bust 1775272025 */