食後の胃もたれと、空腹時の胃の痛みは別ものです
30秒でわかるポイント
- 「消化が悪い」という言葉の中には、異なる二人の方がいらっしゃいます。ご飯を食べるともたれる方と、空腹時にみぞおちが痛む方です。
- 検査を受けた方の4人に3人以上は、原因となるものが見つかりません。 気のせいではなく、検査項目の外にある病気です。
- 同じ病名でもタイプが違えば、確認すべきことも治療の根拠も違います。
- 鍼治療は、食後のもたれが主な症状の278人を対象にした試験で偽の鍼より優れており、効果は12週まで続きました。ただし、この結果を空腹時に痛むタイプにそのまま当てはめることはできません。
- 体重が減った、飲み込みにくい、黒い便が出るという場合は、タイプの話ではなく内視鏡が先です。
よく伺うお悩み
- 「内視鏡では正常と言われました。なのに、どうしてこうなるんでしょう。」
- 「数口しか食べていないのに、おなかがいっぱいになります。」
- 「空腹だとみぞおちが痛くて、つい何か食べてしまいます。」
- 「夕食の約束が負担になって、もうずいぶんたちます。」
「消化が悪いんです。」
この言葉の中には、実は異なる二人の方がいらっしゃいます。
お一人は、ご飯を食べるとみぞおちがぎゅっと詰まったようにもたれます。数口しか食べていないのに、おなかがいっぱいになります。夕食の約束が負担になって、もうずいぶんたちます。もうお一人は、逆に空腹のときが問題です。空腹時にみぞおちがキリキリと痛み、何か少し食べると一時的に楽になる気もします。
お二人とも内視鏡を受け、お二人とも正常だと言われました。そしてお二人とも同じことを考えます。正常だと言われたのに、どうしてこうなるのだろう。
まずその答えからお伝えすると、消化不良で検査を受けた方の4人に3人以上は、原因となるものが見つかりません。このように検査では説明できない消化不良が6か月以上続くものを、機能性ディスペプシアと呼びます。大人の12〜15人に1人が経験するほど、よくある病気です。胃の形ではなく、胃の動き方や感じ方、そして胃と脳のつながりに生じた問題なので、内視鏡には映らないのです。気のせいではなく、検査項目の外にある病気です。
ところが、ここで道が分かれます。先ほどのお二人は、同じ病名の中でもタイプが違い、タイプが違えば確認すべきことも治療の根拠も変わってきます。
食べると始まるタイプから見ていきましょう。食べた後にみぞおちが詰まったようにもたれ、少し食べただけでおなかがいっぱいになります。機能性ディスペプシアの中で最も多いタイプです。胃が食べ物を受け入れるときに十分に広がらない、あるいは下へ送り出す速さが遅いことと関係しています。このタイプには注目すべき研究があります。このような方278人を本物の鍼と偽の鍼に分けて4週間治療した試験で、本物の鍼を受けた側のほうが、改善した割合も症状が消えた割合もはっきり高くなりました。そしてその効果は、治療を終えてから12週まで続きました。米国内科学会誌に掲載された研究です。
空腹時に痛むタイプは違います。こちらは胃酸と、敏感になった感覚の側の問題の比重が大きいのです。そのため、先ほどの鍼の試験結果をこちらにそのまま当てはめることはできません。同じ病名でも、根拠はタイプを分けて見る必要があります。
タイプに関係なく、興味深い研究がもう一つあります。偽薬と比べた試験で、六君子湯(りっくんしとう)系の韓方薬が消化不良の症状を改善しましたが、症状が良くなることと不安のスコアが良くなることが並行して動いていました。胃腸の薬が、心の指標と一緒に良くなったのです。不思議に聞こえますが、最近の消化器医学がこの病気を胃と脳がやりとりする病気と呼んでいることと、ぴったり合う図式です。ストレスを受けると胃がもたれるのは気分のせいではなく、実際にそうなる経路があるということで、だからこの病気は胃腸だけを見ていてはいけないのです。
このお話より先にすべきこと
意図していないのに体重が減った、飲み込みにくい、吐くことが繰り返される、黒い便や血の混じった便が出る、中年を過ぎてから初めて起きた消化不良である、という場合は、タイプの話ではなく内視鏡が先です。検査をまったく受けていない場合や、受けてからかなり時間がたっている場合も同じです。
当院の診療はこの順番です
まず、危険なサインと検査歴を確認します。検査が必要なのに受けていない場合は、内視鏡を受けられる医療機関をまずご案内します。大きな病気ではないと確認できてから、当院の治療の出番です。
次に、タイプと体の状態を合わせて見極めます。お話を伺い、食べると始まるタイプなのか、空腹時に痛むタイプなのかを分けます。お腹を押してみぞおちやお腹の緊張、痛む場所を見て、舌と脈で体全体を診ます。血液検査と体組成検査で、消化に関わる栄養状態も確認します。検査が正常な病気ほど、このように一つずつ丁寧に診る診察が治療の地図になります。
そして、タイプに合わせて治療しながら、生活のリズムも一緒に整えます。鍼と電気鍼、検査と腹診で見たことに合わせた韓方薬で治療を組み、そこに食べる速さと時間、睡眠、ストレスを治療計画に一緒に組み込みます。胃と脳の両方を一緒に扱うということです。決めた期間が過ぎたら症状を数字で測り直し、反応がなければ同じ治療は繰り返しません。診断から見直します。
夕食の約束が怖くない日常。メニューを症状ではなく好みで選べる日。当院が目指しているのは、そんな当たり前の食卓です。どれくらいかかるかは、タイプやこれまで患ってきた期間、睡眠とストレスの状態によって人それぞれ異なります。ただ、最初の問いは今日決めることができます。自分は食べると始まるタイプか、空腹時に痛むタイプか。その答えを持って来ていただければ、診療はずっと早く進みます。
ご相談・ご予約はページ右下のメッセンジャーから日本語でどうぞ。お電話は +82-53-716-1175 です。
機能性ディスペプシアの根拠と研究の原文は院長コラム内視鏡は正常なのに消化が悪いならに、検査は正常なのに体がつらいというお話は健康診断は正常なのに疲れている方へにまとめてあります。
気になる症状はありませんか?
平日は夜8時半まで、土日・祝日も診療しています。
ページ右下のメッセンジャー(チャット)から日本語でどうぞ。スタッフが翻訳してお返事しますので、返信までお時間をいただく場合があります。
お電話:+82-53-716-1175(韓国国内からは 053-716-1175)