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2026年10月28日

横になると体がほてって眠れないなら、体が冷めていないからかもしれません

キム・ジフン
医療監修 キム・ジフン 代表院長

布団をかけると暑く、はぐと肌寒くて寝返りばかり打っているなら

30秒でわかるポイント

  1. 体の内部の温度は一日の中で上がり下がりし、眠る頃に下がっていく流れが「そろそろ眠る時間」というサインになります。
  2. 体はその熱を手と足から逃がします。 顔は熱いのに手足が冷たいなら、熱の逃げる窓が閉じているようなものです。
  3. 17本の研究を集めた分析で、寝る1〜2時間前に40〜42.5度のお湯で10分入浴するだけで、寝つくまでの時間が短くなり、睡眠の質が良くなりました。
  4. 温水マットは寝つくまでだけ、布団は薄いものを何枚か重ねて、夜遅くの運動・食べすぎ・お酒は控えます。
  5. 毎晩寝間着がぬれるほど汗をかいて熱が出る、あるいは体重が減っているなら、内科の受診が先です。

よく伺うお悩み

  • 「一日中疲れていたのに、横になると眠れないんです。」
  • 「エアコンをつけると寒いし、温水マットをつけると暑いんです。」
  • 「顔はほてるのに、足は冷たいんです。」
  • 「布団をかけたりはいだりしているうちに、1時間たってしまいます。」

一日中疲れていたのに、いざ横になると眠れません。

布団をかけると体がカッと熱くなり、はいでしまうとすぐに肌寒くなります。温水マットをつけると暑く、消すと寒い。顔はほてるのに、足は冷たい。あれこれ寝返りを打っているうちに、1時間があっという間に過ぎています。

こうしたお話をされる方に、診察室でよくお伝えしている説明があります。眠りにつくには体が少し冷める必要があるのに、それがうまくいっていないのかもしれません。

眠りと体温には、どんな関係があるのですか?

体の奥深くの温度は、一日中同じではありません。体内時計を研究してきた学者たちは、体温が眠りと目覚めと同じように、おおよそ24時間の周期で上がり下がりすることを、ずっと前に確認しています。

日中は少し高めに保たれ、夜になって眠る頃になると、少しずつ下がっていきます。この下がっていく流れが、体にとって「そろそろ眠る時間」というサインになります。眠っている間は低い温度が続き、朝が近づくと再び上がって、目覚める準備をします。

体は熱をどこから逃がすのですか?

手と足です。

眠る頃になると、手のひらと足の裏の血管が広がり、体の中の熱が手足から抜けていきます。手足は、体の熱を外に出す窓のようなものです。眠そうな子どもを抱っこすると手足が温かくなっているのも、このためです。

窓が開いてこそ家の中の熱気が抜けるように、手足からうまく熱が抜けてこそ体の内部の温度が下がり、眠気がやってきます。

逆に、顔や胴体は熱くて息苦しいのに手足が冷たいなら、熱の逃げる窓が閉じているということです。診察室で「エアコンをつけると寒いし、温水マットをつけると暑い」「顔は熱いのに手足は冷たい」とおっしゃる方の中に寝つきにくい方が多いのも、これと無関係ではありません。体が熱を均等に配り、外に逃がす調節がうまくいっていないのです。

温かいお湯に入ると、かえって暑くなりませんか?

逆のように聞こえますが、温かいお湯は体を冷ますのに役立ちます。

寝る前の温かいシャワーや入浴が睡眠に与える影響を扱った17本の研究を集めて分析した結果があります。

  • 寝る1〜2時間前に
  • 40〜42.5度くらいのお湯で
  • 10分ほど入浴するだけで

寝つくまでにかかる時間が短くなり、自分で感じる睡眠の質と睡眠効率も良くなりました。

温かいお湯で体を温めると、手のひらと足の裏に血液が集まり、窓が大きく開きます。お風呂から上がった後の1〜2時間、その窓から熱が抜けていくことで、体の内部の温度がいつもよりよく下がり、その流れに乗って眠気がやってきます。

ですから、タイミングが大切です。 寝る直前に熱いお湯に入ると、まだ体が温まったまま横になることになります。寝る1〜2時間前がよいでしょう。

今夜から、何を試せばよいですか?

一つ目、寝る1〜2時間前に温かいお湯に入ってください。 熱いというより、ぽかぽかする程度で、10分あれば十分です。半身浴や足湯も、手足を温めて同じ仕組みで役立つことがあります。めまいがある方や、心臓・血圧の病気がある方は、熱すぎるお湯や長湯は避け、立ち上がるときはゆっくり立ち上がってください。

二つ目、温水マットや電気カーペットは、寝つくまでだけつけておいてください。 冬になると、マットを高い温度で一晩中つけっぱなしにしている方が多くいらっしゃいます。けれども体は、眠った後も低い温度を保ってこそ深く眠れます。あらかじめ布団の中を温めておき、横になるときに温度を下げるか、タイマーで眠った後に切れるようにしてみてください。

三つ目、布団と寝間着は軽めに。 厚い布団1枚を首まで掛けるより、薄い布団を何枚か重ねておき、暑ければ1枚はいでください。寝室は、暑いと感じるより、少し涼しいかなと思うくらいのほうが良いでしょう。

四つ目、夜遅くには体を温めることを控えてください。 寝る直前の激しい運動、遅い時間の食べすぎやお酒は、体に熱を生み、体温が下がる流れを妨げることがあります。運動は、できるだけ夕方の早い時間に終えてください。

こんな場合は、別の確認が先です

  • 夜に急に熱がこみ上げて汗をかき、目が覚めることを繰り返す中年の女性なら、更年期のほてりかもしれません。顔がほてって眠れないのは、年齢のせいでしょうか?に別に書きました。
  • 寝間着がびっしょりぬれるほど夜に汗をかいて熱が出る、あるいは理由もなく体重が減っている場合は、睡眠の問題と考える前に、まず内科を受診してください。
  • いびきがひどく、寝ている間に呼吸が止まっているようだと言われる場合は、睡眠時無呼吸の検査が先です。

当院の進め方

一つ目、眠りの形と体の温度の反応を合わせて見ます。 1〜2週間の睡眠日誌で、寝つくまでにどれくらいかかるか、夜中に何回目が覚めるかを確認します。手足が冷たいか、顔に熱がのぼるか、汗はどうかを詳しくお尋ねし、血液検査で甲状腺機能のように体温と睡眠に影響する体の状態を確認します。腹診・脈診で緊張した状態も診ます。

二つ目、体の調節を助け、寝る前の習慣を見直します。 鍼・薬鍼でたまった緊張をほぐし、検査結果と体質に合った韓方薬で、熱が均等に巡り、外へ抜けるよう体の調節を助けます。そこに、入浴の時間、マットの温度、布団といった生活の処方と、ベッドの再訓練を組み合わせます。ベッドの再訓練については眠れないときは、ベッドから出てくださいにまとめてあります。

三つ目、睡眠日誌で確認します。 寝つくまでの時間が短くなっているか、暑さや寒さで目が覚めることが減っているかを、記録で一緒に見ていきます。根拠のない治療はいたしません。

こう変わります

布団をはいだりかけたりせず、そのまま眠りにつける夜。温水マットの温度を何度も変えなくていい冬の夜。

当院が目指しているのは、それです。

眠りが戻ってくるペースは、不眠が続いてきた期間や体の状態、生活の状況によって人それぞれ異なります。

今日のまとめ

眠りにつくには体が冷める必要があり、体は手足から熱を逃がします。 寝る1〜2時間前に温かいお湯に入って、その窓を開けてあげてください。

今夜試していただきたいことは二つです。

  • 寝る1〜2時間前に、温かいお湯で10分入浴してみてください。
  • 1週間、横になってから眠るまでにおよそ何分かかったか、暑さや寒さで目が覚めたことがあったかを、一行ずつ書いてみてください。入浴した日としなかった日を比べてみるのもよいでしょう。

その記録が、あなたの眠りの最初の地図になります。平日は夜8時半まで、土日・祝日も診療しています。

不眠症治療の根拠は、院長コラム途中で目が覚めるのも不眠症ですにまとめてあります。

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参考文献

Haghayegh S, Khoshnevis S, Smolensky MH, Diller KR, Castriotta RJ. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: a systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2019;46:124-135. doi:10.1016/j.smrv.2019.04.008. PMID: 31102877

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キム・ジフン

キム・ジフン 代表院長

検査では異常がないと言われたのに、不調が続いている方を診ています。お腹を押して診る腹診、舌を見る舌診、脈をとる脈診で体の状態を確かめ、確認したことを数字で記録して、次の診療のときに比べます。 痛みについては、痛む場所だけを見ることはしません。足の着地のしかたや顎のバランス、歩き方から原因を探します。治療の方針をご説明するときは、どの学術誌のどの研究なのかもあわせてお伝えします。ご自身で確かめられてこそ根拠だと考えています。

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