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2026年9月20日

夜勤を何年も続けているのに、なぜまだ慣れないのでしょうか

キム・ジフン
医療監修 キム・ジフン 代表院長

慣れないのではなく、光が逆転していないからです

30秒でわかるポイント

  1. 人の体は夜勤に完全には適応できません。 何年続けてもそうです。意志の問題ではなく、仕組みの問題です。
  2. 犯人は、帰り道の朝日です。体の時計は光で合わせられますが、夜通し働いて朝の光を正面から浴びると、眠るべきまさにそのときに、時計が覚醒モードに戻ってしまいます。
  3. 光が完全に管理された海上の石油掘削施設では、作業員の時計が例外的に夜勤に合わせて逆転していました。意志ではなく光の問題だということです。
  4. ですから、戦略は耐えることではなく光の設計です。勤務中は明るい場所で、帰り道は濃いサングラス、寝室はできるだけ真っ暗に。
  5. 2つめの時計は食卓の上にあります。食事の時間がばらばらだと、消化器の時計がずっと混乱したままになります。

よく伺うお悩み

  • 「ほかの人は慣れると言うのに、どうして自分はまだこうなんでしょう。」
  • 「体はくたくたなのに、横になると2〜3時間で目が覚めます。」
  • 「夜勤を始めてから、ずっと胃の調子が悪いんです。」
  • 「休みの日は、回復するだけで終わってしまいます。」

看護師、製造業、警備、消防、コールセンター。夜に働く方々の悩みは睡眠から始まり、消化不良や慢性疲労へとつながり、最後には必ず自分を責める気持ちがついてきます。自分の体が特別弱いのか、自分の意志が弱いのか。

適応は、もともとできないものです

今日は、まずその自分を責める気持ちを手放してください、というお話をしたいと思います。

体内時計を何十年も研究してきた学者たちの結論はこうです。人の体は夜勤に完全には適応できません。何年続けてもそうです。

これは意志の問題ではなく、仕組みの問題です。

犯人は、帰り道の朝日です

私たちの体の時計は、光で合わせられます。朝の明るい光は、「いまは昼だ、起きていなさい」という合図として時計を戻します。

ところが、夜勤の方の一日を見てください。夜通し働き、朝日を正面から浴びながら帰宅します。

体の時計からすれば、毎朝「昼の始まり」という合図を受け取っていることになります。夜通し働いた体がこれから眠らなければならないまさにそのときに、時計は覚醒モードにリセットされてしまうのです。

昼間の睡眠が浅く、短く途切れてしまう理由はここにあります。

海の上では、時計が逆転していました

興味深い研究があります。

海の真ん中にある石油掘削施設で夜勤をしている作業員たちは、例外的に体内時計が夜勤に合わせて逆転していました。

秘訣は意志ではありませんでした。夜の勤務場所の照明がとても明るく、宿舎には自然光がまったく入らない環境。光が完全に管理された場所では、時計がついてくるということです。

裏を返せば、陸上の交代勤務の方が適応できないのは、意志ではなく、光が逆転していないからです。

ですから、戦略は耐えることではなく光の設計です

掘削施設の研究が教えてくれる原理を日常に移すと、こうなります。

夜勤中は、できるだけ明るい場所で働きます。帰り道は濃いサングラスで朝日を減らします。 体の時計に「まだ昼ではない」と知らせるのです。

家に帰ったら、寝室をできるだけ真っ暗にして眠ります。遮光カーテンが役に立ちます。そして起きて活動を始めるときに、明るい光を浴びます。

完璧にはできなくても、時計に入る光の合図の向きを変えるだけで、昼間の睡眠の深さが変わる可能性があります。

2つめの時計は、食卓の上にあります

光が脳の時計を合わせるとすれば、食事の時間は肝臓や消化器官にある時計を合わせます。

夜勤の方に消化不良が特に多い理由はここにあります。消化器官は夜になると休む準備をしますが、勤務中の夜食は、準備のできていない工場に注文を入れるようなものです。

食事の時間が毎日ばらばらだと、これらの時計はずっと混乱したままになります。

そのため、勤務形態の中でも食事の時間をできるだけ一定に固定し、深夜の重い食事を減らすことが、消化とリズムの両方に有効な戦略です。

放っておくと、睡眠の問題だけでは終わりません

リズムが長くずれた体ではストレスホルモンが高いまま保たれ、それが血糖値を上げ、お腹まわりを中心とした体重増加や甘いものへの欲求につながり得る、というのが研究者たちの説明です。実際に、交代勤務の方では糖尿病や胃腸障害のリスクが高いと報告されています。

そして、もうひとつあります。帰り道の運転中の眠気は、我慢するものではありません。 一瞬で眠りに落ちるマイクロスリープは、本人が自覚する前にやってきます。眠くなったら車を止めることが、唯一の答えです。

当院が担う役割

交代勤務のスケジュールそのものを、当院が変えてさしあげることはできません。けれども、そのスケジュールの中のリズムは設計できますし、崩れたリズムがすでに生み出してしまった問題は治療することができます。

まず、リズムの地図を描きます。勤務表と一緒に1〜2週間、睡眠と食事の時間を記録してきていただくと、いまのリズムがどこでずれているのかが見えてきます。血液検査・体組成検査と腹診・脈診で、そのずれが体に残したものを確認し、ひどいいびきや無呼吸が疑われる場合は、睡眠ポリグラフ検査ができる医療機関へのご案内が先です。

次に、スケジュールの中のリズムを設計し、体をサポートします。勤務形態に合わせた光・食事・睡眠の時間表を一緒に決め、鍼・薬鍼(やくしん)でたまった緊張と覚醒に対処し、検査結果に合った韓方薬で消化と回復のリズムをサポートします。眠りが浅い問題には、ベッドの再トレーニングを交代勤務向けに応用します。当院が睡眠をどのような順番で診るかは、診療案内にまとめています。

そして、記録で確かめます。昼間の睡眠の長さと深さ、消化の状態、朝と夜の疲労スコアが変わっていくかを一緒に見ます。根拠のない治療はいたしません。

明日の帰り道、サングラスひとつから

帰宅後、一度で続けて眠れる睡眠。勤務の日の夜でも胃が楽な食事。休みの日を回復ではなく、生活に使える体。

当院が目指すのは、それです。

どのくらい変わるかは、勤務形態や勤続年数、体の状態によって人それぞれ異なります。ただ、方向は今日から変えられます。明日の朝の帰り道に、サングラスをひとつ持っていくことから。

夜に働く方が通院しにくいことも承知しています。当院が年中無休で、平日は夜8時半まで、土日・祝日も診療しているのは、その理由のひとつです。勤務表を持っていらしてください。 その表に合った計画を立てます。

ご相談・ご予約はページ右下のメッセンジャーから日本語でどうぞ。お電話は +82-53-716-1175 です。

夜中に目が覚めるタイプの不眠が別にあるというお話は、院長コラム夜中に目が覚めるのも不眠症ですにまとめています。

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キム・ジフン

キム・ジフン 代表院長

検査では異常がないと言われたのに、不調が続いている方を診ています。お腹を押して診る腹診、舌を見る舌診、脈をとる脈診で体の状態を確かめ、確認したことを数字で記録して、次の診療のときに比べます。 痛みについては、痛む場所だけを見ることはしません。足の着地のしかたや顎のバランス、歩き方から原因を探します。治療の方針をご説明するときは、どの学術誌のどの研究なのかもあわせてお伝えします。ご自身で確かめられてこそ根拠だと考えています。

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