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2026年10月26日

脊柱管狭窄症なら、腰を後ろに反らすストレッチから見直してください

キム・ジフン
医療監修 キム・ジフン 代表院長

腰のストレッチを真似したら、その日の夕方に脚のしびれが強くなった方へ

30秒でわかるポイント

  1. 脊柱管狭窄症は、神経が通る通り道が長い年月をかけて狭くなった病気です。
  2. この通り道は姿勢によって変わります。腰を後ろに反らすとさらに狭くなり、前にかがむと少し広がります。
  3. そのため、「曲がった腰は伸ばすべきだ」という反らすストレッチは、脊柱管狭窄症には逆効果になることがあります。
  4. 方向はこうです。膝を抱える、寄りかかれる歩行用具、歩くのがつらい日は室内用自転車、お腹とお尻の力を鍛える。
  5. 反らす動作で脚のしびれが強くなったら、その動作はやめてください。 運動を選ぶ前に、ご自身の痛みの名前を知る必要があります。

よく伺うお悩み

  • 「腰に良いというストレッチをしたら、脚がもっとしびれるんです。」
  • 「スーパーでカートを押すと長く歩けるのに、普通に歩くとすぐ休まないといけません。」
  • 「自転車は大丈夫なのに、歩くのはつらいんです。」
  • 「みんな腰を伸ばせと言うけど、私はかがんだほうが楽なんです。」

腰に良いというストレッチ動画を真似してみたことがあるかもしれません。

うつ伏せになって腕で床を押し、上半身を持ち上げる動作。立って両手で腰を支え、後ろに反らす動作。曲がった腰は伸ばさなければと言われて一生懸命やってみたのに、その日の夕方、脚のしびれが強くなる。歩いている途中で休まなければならない距離も、かえって短くなった気がする。

脊柱管狭窄症と診断された方、あるいは歩くと脚が重くなり座ると楽になる方は、ぜひこの記事を読んでください。脊柱管狭窄症には、腰を反らす方向が合わないことがあります。

脊柱管狭窄症はどんな病気ですか?

診察室では、こうご説明しています。

若いころから腰を使っていると、ときどき痛むことがあります。それが積み重なると骨が少しずつ余分に増え、骨の後ろ側をつなぐ靭帯も厚くなります。そうして神経が通る通り道が狭くなり、神経を締めつけるのが脊柱管狭窄症です。

一日に何千回も腰を曲げたり伸ばしたりすることが、何十年も積み重なって生じた変化です。椎間板ヘルニアと何が違うのかは、脚がしびれるけれど、椎間板ヘルニアですか、脊柱管狭窄症ですかにまとめてあります。

なぜ反らすとしびれて、かがむと楽なのでしょう?

狭くなった通り道は、いつも同じ幅ではありません。姿勢によって広がったり狭まったりします。

  • 腰を後ろに反らすと、背骨の後ろ側が折りたたまれます。厚くなった靭帯が通り道の内側にしわのように押し込まれ、骨と骨の間も狭くなります。通り道がさらに狭くなります。
  • 腰を前にかがめると、背骨の後ろ側が開いて、通り道が少し広がります。神経が息をつけるすき間ができます。

脊柱管狭窄症の方が経験することは、すべてここから来ています。

  • まっすぐ立って歩くと脚が重いのに、カートを押すと長く歩けます。
  • 歩くのはつらいのに、自転車なら乗れます。
  • 上り坂より下り坂のほうがつらいのです。下るときは体が後ろに反りますから。

体が少し前にかがむほど、通り道が広がるのです。

では、腰を伸ばすストレッチはしてはいけないのですか?

脊柱管狭窄症なら、注意が必要です。腰を後ろに大きく反らす動作は、すでに狭くなっている通り道をさらに狭くする方向だからです。その日の夕方に脚のしびれが強くなった理由は、ここにあるのかもしれません。

ところが、同じ動作が、ある椎間板ヘルニアの患者さんには楽に感じられることもあります。どちらも脚をしびれさせますが、神経を圧迫する構造が違うからです。

誰かに良かったストレッチが、自分には逆になることがあります。 だからこそ、運動を選ぶ前に、ご自身の痛みの名前を知る必要があります。

脊柱管狭窄症なら、どんな運動が合うのでしょう?

何回どのように行うかは診療で決めますが、方向はこうです。

一つ目、寝た姿勢で膝を胸のほうに抱える。 仰向けに寝て両膝をゆっくり胸のほうへ引き寄せると、腰の後ろ側がやわらかく開いて、通り道にゆとりが生まれます。脚が重くなったときに少し休む姿勢としても良いでしょう。

二つ目、歩くときは上半身を寄りかからせられる用具を使ってください。 杖、歩行器、スーパーのカートのように体を少し寄りかからせられる用具は、通り道を広げたまま歩けるようにしてくれます。より長く歩くための用具です。しびれる前にあらかじめ休んでまた歩くコツは、しびれるまで歩かないでくださいにあります。

三つ目、歩くのがつらい日は室内用自転車に切り替えてください。 室内用自転車は体が少し前にかがんだ姿勢になるので、脊柱管狭窄症があっても比較的楽に脚を動かせます。運動を休む日にせず、種目だけを変えてください。

四つ目、お腹とお尻の力を鍛えてください。 かがむと楽だからといって、一日中前かがみで過ごしてくださいという意味ではありません。腰を支えるお腹とお尻の筋肉が弱いと、腰が前に引っ張られて反った姿勢になりやすくなります。この力が、通り道を守る支えになります。

避けていただきたいことはひとつです。腰を後ろに大きく反らしたときに脚のしびれが強くなるなら、その動作はやめてください。 うつ伏せで上半身を持ち上げる、立って腰を後ろに反らす、が代表的です。

排尿・排便が変わった、サドルが当たる部分の感覚が鈍くなった、足首・足の指の力がだんだん抜けていく、という場合は、運動の話よりも手術の評価が先です。姿勢に関係なく立ち止まるだけで楽になり、足が冷たい場合は、脚の血管の問題かもしれません。これらのサインについては、椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の見分け方編に詳しく書きました。

当院の進め方

第一に、名前を正確にします。 いつ痛み、何をすると楽になるかをお伺いし、診察の際に腰を前にかがめたり後ろに反らしたりして、どの方向で脚の症状が変わるかを確認します。脚の力・感覚・反射を見て、必要であれば同じビル2階の画像診断科と連携してMRIを撮り、どの部分がどれだけ狭くなっているかを見ます。

第二に、方向に合わせて治療します。 鍼(はり)・薬鍼(やくしん)で脚の痛みと腰の周りの緊張を調整し、推拿(チュナ)治療で固くなった骨盤と腰の動きを整えます。ご自身の腰に合った方向の運動と歩き方を決めてお伝えし、次の診療で一緒に確認します。

第三に、歩けた時間で確認します。 休まずに何分歩けるか、しびれがどこまで下りてくるかを治療前に記録しておき、決めた時期ごとに比べます。何十年もかけて積み重なった変化なので一朝一夕には変わりませんが、歩ける時間が延びているかどうかは数字で見ることができます。延びなければ同じ治療を繰り返さず、次の道をご案内します。

こう変わります

カートなしでも買い物を終えて出てこられる日。公園をひと回り、休まずに歩ける日。人が良いというストレッチの代わりに、自分の腰に合った運動を知って続ける毎日。

当院が目指しているのは、それです。

回復の速さは、狭くなっている程度や部位の数、症状のある期間によって人それぞれです。

今日のまとめ

脊柱管狭窄症なら、腰を反らすストレッチから見直してください。 反らすと通り道が狭くなり、かがむと広がります。運動の方向は、ご自身の痛みの名前に合わせて決めます。

今日は二つだけ確認してみてください。

  • 立って腰をゆっくり、少しだけ後ろに反らしたときに、脚のしびれが強くなるかどうか(無理をせず、しびれが来たらすぐにやめてください)
  • 椅子に座って上半身を前にかがめたときに、楽になるかどうか

二つの答えを書いて持ってきていただければ、ご自身の腰に合った運動の方向を一緒に決めます。平日は夜8時半まで、土日・祝日も診療しています。

脊柱管狭窄症の経過と治療の根拠は、院長コラム脊柱管狭窄症、手術以外に方法はないのですかにまとめてあります。

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キム・ジフン

キム・ジフン 代表院長

検査では異常がないと言われたのに、不調が続いている方を診ています。お腹を押して診る腹診、舌を見る舌診、脈をとる脈診で体の状態を確かめ、確認したことを数字で記録して、次の診療のときに比べます。 痛みについては、痛む場所だけを見ることはしません。足の着地のしかたや顎のバランス、歩き方から原因を探します。治療の方針をご説明するときは、どの学術誌のどの研究なのかもあわせてお伝えします。ご自身で確かめられてこそ根拠だと考えています。

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