鏡の前で、脚を隠すようになったなら
目次
矯正を調べていたなら、まず順番を変えてみてください
30秒でわかるポイント
- 脚が内側に曲がると、体重が膝の内側に偏ります。 膝4,265個を追跡した研究で、O脚は膝の内側の関節症が起こるリスクを約1.5倍、すでにある関節症が悪化するリスクを約3.6倍に高めていました。
- 成長が終わった大人の骨の角度を手術なしで変えたという質の高い根拠はありません。 当院は角度をお約束しません。
- ただし、曲がって見える程度のすべてが骨というわけではありません。骨盤・股関節のねじれ、筋肉のアンバランス、立ち方・歩き方の癖は、扱うことのできる領域です。
- 骨は鉄筋、筋肉はセメントです。 矯正だけして力をつけなければ、同じ方向に戻ってしまいます。
- 子どものO脚はほとんどが正常な発達で、成長期の側弯は専門的な評価が先です。矯正の前に、まず測定をします。
よく伺うお悩み
- 「パンツがきれいに見えなくて、写真の中の脚がいつも気になります。」
- 「立つと片足重心、座ると脚を組んでしまいます。注意されても直りません。」
- 「学校の健診で、背骨が曲がっていると言われました。」
- 「階段を下りるとき、膝の内側がうずきます。」
- 「子どもの脚がO字に曲がっている気がして心配です。」
体型の悩みは、たいてい鏡の前から始まります。けれども治療は、鏡ではなく角度を測ることから始まります。
形より先に見るべきは、負荷です
脚が内側に曲がると、膝全体で分け合って受けるべき体重を、内側の軟骨がまとめて受けることになります。 偏ったほうが先にすり減ります。上の1.5倍、3.6倍という数字は、その結果です。
ですからO脚で問うべきなのは、「脚が真っすぐになるか」より「偏った負荷をどう減らすか」です。まだ膝が痛まない方にも、この順番でお話しする理由です。
変わるものと、変わらないもの
まず、はっきりさせておくことがあります。大人の骨の形は、手術以外の治療が変えますとお約束できる領域ではありません。
靴の外側を高くして膝の内側の負担を減らそうとするインソールも、もっともらしく見えましたが、複数の試験をまとめた分析で痛みを減らせませんでした。
反対に、変わりうるものもあります。股関節のねじれ具合、お尻と膝まわりの筋肉のアンバランス、足の並び、立ち方・歩き方の癖です。膝が痛むO脚の女性47人が12週間運動した韓国国内の研究で、並びの指標の一部と痛みが改善したという報告があります。小規模な研究1件ですが、当院が手を入れるのはまさにこちらです。
骨は鉄筋、筋肉はセメントです
診察室でいちばんよく使うたとえです。
曲がった鉄筋だけをまっすぐにしても、セメントが支えてくれなければ、揺れるたびにまた曲がります。セメントがしっかりしていれば、鉄筋はその場に立ちます。推拿(チュナ)治療で並びを整えるのが鉄筋を正すことだとすれば、筋力をつけ、癖を直すことはセメントを流し込むことです。
どちらか一方だけでは戻ってしまいます。 そもそも骨がひとりでにねじれたのではなく、片側ばかり使う癖と筋肉が、長い間その方向へ引っぱってきた結果だからです。矯正した脚がなぜまた戻るのかは、別にまとめてあります。
背骨が曲がっていると言われたなら
側弯は、大きく二つに分けます。
特発性側弯は、はっきりした原因なく起こるタイプで、やせ型の体型で比較的よく見られます。針金に粘土を厚く付ければ曲がりにくく、薄く付ければ曲がりやすいように、支える組織の少ない体では背骨が曲がりやすいのです。
機能性側弯は、脚の長さの差、骨盤のねじれ、片側ばかり使う癖のように、原因があるタイプです。この場合は、その原因を扱うことが治療の中心になります。
区別よりも大事なのが、線引きです。成長期の子ども・思春期の側弯、角度が大きい、あるいは速く進んでいる側弯は、当院の治療より専門的な評価が先です。 当院はその結果と成長段階に合わせて筋力・バランス・癖・痛みを担当し、精密な評価が必要なケースを見分けてご案内します。
子どもの脚がO字のようなら
赤ちゃんの脚は、もともと内側に曲がっています。歩き始めてから満2歳前後までに自然に真っすぐになり、その後しばらくX脚のほうへ向かってから、学齢期に大人の並びに落ち着きます。これが正常な発達です。
この時期に必要なのは矯正ではなく鑑別です。次の四つのうち一つでも当てはまれば、画像による評価が先です。
- 満2〜3歳を過ぎても、さらにひどくなる
- 片方の脚だけが曲がっている
- 身長が同年代よりはっきり低い
- 痛がる、足を引きずる
こうしたサインが見られたら、矯正プログラムではなく、同じビル2階の画像診断科との連携からご案内します。詳しくは 子どものO脚編 にあります。
治療はこの順番で進みます
一つ目、測ります。 X-body体型検査で全身の並びと姿勢のパターンを見て、2階の画像診断科との連携で立った姿勢のレントゲンを撮り、脚の角度を測ります。骨の角度の問題なのか、姿勢・筋肉の問題なのか、両方が混ざっているのかを、ここで見分けます。この区別なしに矯正の計画は立てません。 膝の痛みがあれば、関節の状態からまず見ます。
二つ目、支える力をつくります。 推拿(チュナ)治療で骨盤・股関節の並びと動きを整え、お尻と膝まわりの強化運動を、やり方と回数まで決めてお渡しします。片足重心や脚を組むことのように、骨を引っぱってきた癖も一緒に直します。痛みがあれば鍼・薬鍼で調整し、体重が膝の負担に上乗せされているなら、体成分検査をもとに 減量の目標 も一緒に決めます。
三つ目、同じ方法でもう一度測ります。 最初に測った指標を、決めておいた時点でまったく同じように測り、変化の量で判断します。感覚や写真ではなく、測定値で見ます。変化がなければ同じ治療を繰り返さず、評価に戻ります。
矯正の直後は、違和感があることがあります
治療のあと、かえって違和感やこわばりを感じることがあります。体が長くねじれていた姿勢を正常だと覚えているので、正しい位置が最初はなじまないのです。
たいていは、体が新しい位置に慣れるにつれて治まります。ただし、強い痛みは別の問題の可能性があるので、すぐにお知らせください。 前もって知っていて経験するのと、知らずに経験するのとでは違います。
よくある質問
Q. 何回受ければ脚が真っすぐになりますか?
角度はお約束しません。当院が扱うのは、姿勢・筋肉・癖と膝の負荷、そして痛みです。何がどれくらい変わりうるかは、測定したあと、測定値でお伝えします。
Q. 矯正すれば、ずっと維持できますか?
条件があります。ねじれを生んだ筋肉と癖がそのままなら、同じ方向に戻ります。そのため治療を終えるときには、維持に必要な運動と習慣を身につけた状態で終えることを目標にしています。
Q. 側弯と診断されましたが、韓医院で治療できますか?
タイプや角度、成長段階によって違います。成長期に進行している側弯や角度の大きい側弯は専門的な評価が先で、当院はその結果に合わせて筋力・バランス・癖・痛みを担当します。
こう変わります
階段を下りるときに、膝の内側を意識しなくてすむようになること。鏡の前でまず脚を確かめていた癖が薄れていくこと。そして「矯正に通っている」ではなく、「自分の力で支えている」と言えるようになること。
当院が目標にしているのは、その状態です。
良くなる範囲と速さは、骨と機能の割合、年齢、体重、筋力によって人それぞれです。
今日のまとめ
矯正の前に、まず測定をしてください。 自分の脚の何割が骨で、何割が癖なのかを知ることが始まりです。
矯正を受けるなら、力をつけることまでセットで行ってください。 そうしてこそ戻りません。
研究文献とあわせてご覧になりたい方は O脚の根拠編 に、当院が体型をどんな順番で見ているかは 診療案内 にまとめてあります。
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